サービス企画
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体験を設計し、ユーザーの日常を変える
サービス企画
サービス企画とは、デジタルサービス・サブスクリプション・プラットフォーム・BtoBソリューションなど「無形のサービス」の体験設計・機能定義・収益モデルを構築する職種です。
ユーザーがどんな課題を抱え、どんな体験を求めているかを深く理解し、それを実現するサービスの全体像を描きます。テクノロジーとビジネスとユーザーの三角形を動かす、現代に最も求められる職種の一つです。
仕事内容
- 顧客課題を解決する新サービスの考案
- アプリやWebサービスの機能設計
- リリース後の利用状況分析と改善
主な働く場所
- IT・Webサービス企業の社内
- 通信会社や金融機関の企画部門
- リモートワーク環境(自宅など)
向いている人の特徴
ユーザーの課題に誰よりも向き合える人
サービス企画の出発点は「ユーザーが本当に困っていること」です。仮説を持ちながらユーザーインタビューや行動データから本質的な課題を掴み、それを解決する体験を設計する姿勢が求められます。前職でカスタマーサポートや接客を経験した方は、リアルなユーザー視点を企画に持ち込める強みがあります。
ビジネスとテクノロジーを同時に考えられる人
サービスの機能がどう収益につながるか、技術的に実現可能かどうか、開発工数とのバランスをどう取るか——これらを同時に考えながら企画を進められる人が向いています。理想だけを語る企画者と、実現性だけを見る技術者の間を橋渡しできる人材が最も重宝されます。
不確実な状態でも動き続けられる推進力がある人
サービス企画は「正解がない」状態で意思決定を繰り返す仕事です。完璧な情報が揃うのを待つより、仮説を立てて小さく動かし、フィードバックを得ながら改善するアジャイルな思考ができる人に向いています。
職業データ
※SaaS系・スタートアップでは600〜900万円、
大手プラットフォーム企業では
1,000万円超も珍しくありません。
- ユーザーリサーチ力(インタビュー・ユーザビリティテスト設計)
- サービス設計力(ユーザーフロー・ユースケース・要件定義)
- ビジネスモデル設計力(収益モデル・KPI設計・単価×LTV試算)
- プロジェクト管理力(エンジニア・デザイナーとのアジャイル開発推進)
- データ分析力
(MAU・継続率・ファネル分析など)
主な業務
ユーザーインタビューと課題定義
既存ユーザー・潜在ユーザーへのインタビューを企画・実施し、どんな場面でどんな課題を感じているかを詳細に把握します。インタビュー結果をペルソナ・カスタマージャーニーマップとして整理し、「どの課題を解決するか」という優先順位を明確にします。前職でカスタマーサポートや営業を経験した方は、ユーザーの言葉のリアリティを企画に組み込む力があります。
サービスの機能設計・要件定義
解決すべき課題が定まったら、「どんな機能・UXでそれを実現するか」を設計します。ワイヤーフレーム・サービスブループリント・ユーザーフロー図などのドキュメントを作成し、エンジニア・デザイナーが実装できる精度の要件に落とし込みます。
ビジネスモデルと収益計画の立案
新機能・新サービスの収益性を試算します。ユーザー獲得コスト・LTV(顧客生涯価値)・チャーンレート(解約率)・価格設定・競合比較を組み合わせ、投資対効果が説明できるビジネスケースを経営層に提示します。夢を語るだけでなく、数字で説得できるかどうかが企画の承認を左右します。
リリース後のデータ分析と改善サイクル
リリースした機能・サービスの利用率・継続率・NPS(顧客推奨度)などをモニタリングし、想定と乖離がある部分を即改善します。サービスは「出して終わり」ではなく、リリースがスタートラインです。継続的な改善サイクルをエンジニア・デザインチームと回し続けることが求められます。
サービス企画の
1日の仕事の流れ
MAU・継続率・機能利用率などのKPIを確認し、気になる指標があれば原因仮説をSlackに投稿してチームと共有します。
新機能の利用状況を確認するためにユーザー3名と対話。意外な使い方・不満点・期待されていない体験を掘り起こします。
次のスプリントで実装する機能の要件を説明し、工数・実現方式・優先順位について合意します。曖昧な部分はその場で解消します。
来週の経営会議に向けて、新機能の仮説・実装コスト・期待効果・リスクをまとめた資料を仕上げます。
ミッション・社会での役割
使われるサービスが、世界を変える
サービス企画は、人々の日常に溶け込む「使われ続けるサービス」を生み出す仕事です。毎朝使うアプリ、仕事を効率化するツール、学習を続けられるプラットフォーム——それらの裏には、ユーザーの課題に真剣に向き合ったサービス企画担当者の設計があります。デジタルサービスが社会インフラになりつつある今、この職種が持つ社会的な影響力はますます大きくなっています。
リアル
リリースした機能の継続利用率が高止まりしたとき、ユーザーから「この機能なしでは生きていけない」と言われたとき、サービス企画担当者として最高の達成感を味わえます。自分の設計がユーザーの行動パターンそのものを変えている事実は、この仕事ならではのスケールの大きな喜びです。また、多様なスキル(UX・データ・ビジネス)が同時に磨かれるため、キャリアの幅が急速に広がります。
サービス企画は「これをやれば絶対うまくいく」という保証がないまま、リソースと時間を投じる意思決定を繰り返します。また、エンジニアの工数制約・デザイナーのビジョン・経営層の期待・ユーザーのニーズが噛み合わない場面でのファシリテーションは消耗します。乗り越えるためには、「小さく作って早く検証する」を徹底することと、チームへの言語化・透明性のあるコミュニケーションで信頼を積み上げることが重要です。
将来性
AI時代の需要と、広がるキャリアパス
社内キャリアパス
サービス企画のキャリアは、入社後1〜2年で既存機能の改善提案・UXリサーチのサポート・要件定義補助などを担うところからスタートします。3〜5年目には自ら機能の企画からリリースまでを担うシニア担当へ成長し、開発チームのリードも担います。5年目以降はプロダクトマネージャー(PM)・事業責任者・CPO(最高プロダクト責任者)へのキャリアアップが一般的なルートです。
| ステップ | 役職 | 平均年収目安 |
|---|---|---|
| 入社1〜2年目 | サービス企画担当(改善・補佐) | 320〜430万円 |
| 入社3〜5年目 | シニア企画担当・プロダクトリード | 430〜650万円 |
| 入社5〜8年目 | プロダクトマネージャー・事業企画リード | 650〜900万円 |
| 入社10年目〜 | CPO・事業部長・スタートアップ創業者 | 900〜1,500万円 |
社外キャリアパス
サービス企画経験者は、プロダクトマネジメント・UXリサーチ・事業開発・コンサルタントへの転身が可能です。特にSaaS・プラットフォーム・アプリサービスでの企画経験は、業界を問わずIT系企業から高い評価を受けます。前職でエンジニアやデザイナーだった方が、サービス企画に転身して「技術×ビジネス」の橋渡し役として希少な市場価値を確立するケースも増えています。
- プロダクトマネージャー(PM):サービス企画経験がそのまま核心スキルになる直結キャリア
- UXリサーチャー:ユーザー理解の深さを活かしてリサーチ専門職へ
- 新規事業開発担当:サービス設計とビジネスモデル立案力を事業立ち上げに応用
- ITコンサルタント:サービス企画の経験を活かしてクライアント企業の課題解決へ
市場価値
サブスクリプション経済・SaaS市場の拡大とDX需要の継続を背景に、サービス企画職への需要は中長期で増加しています。特に、ユーザーリサーチとデータ分析の両方を扱えるサービス企画担当者は転職市場での評価が高く、30代で年収600〜800万円台での転職事例が増えています。また、AIサービスの急増により、AI機能の企画経験を持つ担当者の希少価値は特に高い水準にあります。
AI時代における価値の再定義
生成AIの普及により、サービス内へのAI機能の組み込み・チャットボット設計・AIを活用したパーソナライゼーションなど、サービス企画担当者が扱うテーマに「AI」が当たり前のように含まれるようになっています。AIが自動化できるのはデータ集計・レポート作成・A/Bテストの候補生成などですが、「どのAI体験がユーザーにとって価値があるか」という判断は人間のインサイトが不可欠です。AIプロダクトの企画力を持つ人材は、現在最も市場から求められているスキルセットです。
関連職種・他職種との違い
- 商品企画:商品企画は有形製品の開発、サービス企画は無形サービスの体験設計が主軸
- プロダクトマネージャー(PM):サービス企画の延長線上にあるロール。特にデジタル製品で同義に使われることも多い
- UXデザイナー:サービス企画が「何を作るか」を定め、UXデザイナーが「どう見せるか」を設計する連携
- 営業企画:サービス企画がサービスを設計し、営業企画がそれを売るための販売戦略を構築する補完関係
サービス設計の現場から発信
本記事は、SaaS・プラットフォーム・デジタルサービス領域でのサービス企画経験を持つキャリアアドバイザーが、求人データ・転職者インタビュー・公開統計をもとに監修・執筆しています。
JOB研究図鑑は、転職を検討するすべての方が「惚れる職業に出会える」よう、現場のリアルを丁寧にお届けすることをミッションとしています。掲載データは2025年時点の情報を基準としています。